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中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*; 太田 朋子*; Jiang, W.*; Lu, Z. T.*; 宮川 和也
no journal, ,
Krは、半減期が約23万年の大気起源の放射性同位体であり、古い地層への若い地下水の浸入を把握できる可能性があることから、放射性廃棄物の地層処分に関する地下水年代調査における有用な指標として考えられている。しかしながら、放射線計測によるKrの定量には、多量のガス試料が必要とされていた。また、海成堆積層の地下水には高濃度のメタンが含まれることが多く、大気起源であるKrの濃度は相対的に低下し、分析にはメタンを主成分とする多量のガス試料の採取が必要となる。本研究では、試料中のメタン除去によるKrの濃縮手法を開発し、アトムトラップ微量分析法を用いることで、実用的な試料量によるKrの定量を試みた。その結果、メタンを酸化除去することにより、40Lのガス試料を0.5Lに減量し、90%を超える回収率でKrを濃縮することができた。また、北海道幌延町の深部地下水試料に対して本手法を適用したところ、メタンを多く含む試料でも、Krの分析が可能となることが示された。本成果は、経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和3年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597)(岩盤中地下水流動評価技術高度化開発)」の一部である。